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甲状腺眼症(こうじょうせんがんしょう) |
甲状腺眼症とは?
甲状腺ホルモンの影響で眼球周辺の組織に炎症が生じて、様々な目の症状が生じることです。甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるバセドウ病に関連して発症することが多いですが、甲状腺機能低下症や、甲状腺機能が正常な場合にも発症することがあります。
症状
目を動かす筋肉に炎症が生じると、眼球の動きが悪くなり、ものが二重に見えます(複視)。また眼球の奥の脂肪が腫れると、目が押されて前に出てきます(眼球突出)。その他にも、まぶたの腫れ、目の痛み、充血、上まぶたの引きつれ(上がりすぎ)など様々な症状があります。重症の場合には、視神経が圧迫されて視力低下が生じることもあります。


治療
発症早期で炎症がある場合には、ステロイドによる薬物治療を行います。MRIで炎症の部位を確認し、炎症が限局していればその部位にステロイド注射を行います。複数の部位に炎症が生じている場合には、従来はステロイド大量点滴療法を行っていましたが、2024年9月から生物学的製剤という全く新しい甲状腺治療薬(テッペーザ)が承認されました。その他には放射線治療があります。
症状が慢性化してしまった場合には、例えば斜視であれば斜視手術、上まぶたが上がりすぎてしまっている場合であれば、まぶたを下げる手術など、その症状に応じた手術を行うことがあります。
当院での対応と特色
急性期には、ステロイド局所注射や新薬のテッペーザによる点滴治療を行っています。慢性期には、斜視手術や、まぶたの手術を行っています。